マンションで火災や事故が発生した場合、専有部分や共用部分にまで被害が及ぶこともあります。被害が大きい場合には、多額の修理費を払わなければなりません。

マンションの管理組合ではリスクの軽減を図るため、保険に加入しているのです。ここでは、マンションの管理組合が加入する保険について詳しく見ていきましょう。マンションのオーナーを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

マンションの管理組合の保険で対象となる部分

マンションの管理組合が加入する保険には、大きくわけると2つの対象があります。ここでは、それぞれの対象について詳しく見ていきましょう。

マンションには専有部分と共用部分がある

マンションには、専有部分と共用部分があります。専有部分とは、個人で所有する部分のことです。主な専有部分として、床、壁、天井、窓に囲まれた空間があります。

一方で、共用部分とは居住者全員が所有する部分のことです。主な共用部分として、エントランス、廊下、階段、エレベーター、ゲストルームなどがあります。

注意点として、バルコニー部分は専有部分ではありません。玄関についても内側は専有部分ですが、外側は共用部分と見なされます。

マンションの管理組合の保険は共用部分が対象

マンションの管理組合が加入する保険は、共用部分が対象です。個人が専有部分の床や天井を破損させた場合、管理組合の保険は適用されません。 ただし、住民同士のトラブルを避けるために、共有部分の補償が適用される保険に加入している場合があります。

マンションの管理組合が加入する保険とは？

マンションの管理組合が加入している保険は、主に3種類です。ここでは、それぞれの保険について詳しく見ていきましょう。

物保険

物保険とは、偶然の事故による損害を補償する保険のことです。主な偶然の事故として、火災、落雷、風災、雪災、爆発、水災などがあります。

不審火が原因で建物の一部が損傷した、落雷が原因で建物電気設備が故障した、突風が建物内に入り込み、壁や床がはがれ落ちたなどのケースが発生する場合があるでしょう。被害の原因がはっきりしていない場合や自然災害の場合には、物保険が適用されます。

物保険には、基本的な補償とオプションとして付帯されている補償があります。オプションの補償については、加入の際に付加の有無を決定できるのです。ハザードマップなどを使って、オプションを選んでいる管理組合があります。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険とは、個人が共用部分に損害を与えた場合に利用できる保険です。主なケースとして、共用部分の給水管が破裂してエントランスや廊下が水浸しになった、マンションに設置されているエレベーターが何者かによって破壊されたなどのケースがあります。状況によっては、管理組合の加入している施設賠償責任保険で修理費用をまかなうのです。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険とは、個人が別の個人に対して損害を与えた場合に利用できる保険です。主なケースとして、ベランダに設置している洗濯機のゴムホースが外れたため、下の階に水漏れが発生してしまった、建物内で子どもたちがボールを蹴ったため、駐車場に止めていた車の窓ガラスが破損したなどのケースもあります。

個人による損害については、加害者が責任を負わなければなりません。ただし、個人で保険に加入していない場合には、賠償が難しくなるでしょう。被害者による泣き寝入りを避けるため、マンションの管理組合は個人賠償責任保険に加入しているのです。

まとめ

マンションを所有する際には、管理組合が加入している保険の内容を確かめておきましょう。万が一のときでも安心して対応できます。

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