2023年02月26日

ビルやマンションの高層階にネズミが現れたらとるべき対策は?詳しく解説

ビルやマンションの高層階にネズミが現れたらとるべき対策は?詳しく解説

ビルやマンションの高層階にネズミが現れて、驚いた経験がある方もいらっしゃると思います。実は、建物の高層階にネズミが現れることは、決して珍しいことではありません。

そのネズミを放っておいた場合、建物に損害を与えます。また、人間の健康にも被害をもたらすやっかいな存在です。そこで今回は、ビルやマンションにネズミが現れたときの対策に役立つポイントを解説いたします。

ビルやマンションの高層階を好むネズミがいるって本当?

冒頭でお伝えしたとおり、ビルやマンションの高層階にネズミが現れることは、決して珍しいことではありません。高層階でも平気で活動する、クマネズミと呼ばれるネズミです。

クマネズミは、体長が15〜25cmほどで、尻尾も体長と同じくらいの長さがあります。もともと森林で樹上生活していたこともあり、比較的高いところで生活するのが特徴です。

クマネズミの手足の肉球には滑り止めとなるヒダがあり、縦移動はお手の物といえます。直径3cmほどのパイプなら、それを四肢で挟むようにして登り下りしたり、足がかりがなくても壁の角部分を利用して器用に登ったり、とにかく身体能力が高いネズミです。

さらに頭がよく、人一倍警戒心の強いクマネズミは、人のいる時間帯にあえて出てきません。狭い場所を物陰に添うように移動するため、目撃されることがほとんどないといえます。

とりわけ、1年を通して温度が一定に保たれ、適度に乾燥しているマンションやビル内は、クマネズミが生育するうえで絶好の環境です。東京都心部では、とくに夏期の繁殖活動が活発化しています。ネズミ関連の相談のうち、9割以上がクマネズミの相談であると言われています。ビルやマンションの高層階にネズミが現れることは、決して珍しいことではないのです。

放置しているとビルやマンションがネズミに破壊される?

ビルやマンション内のネズミを放置していると、ネットワークの切断や火災の発生、はたまた人体への悪影響など、さまざまな被害を引き起こしかねません。具体的に見ていきましょう。

ネズミが引き起こす経済的損害

ネズミの歯は一生伸び続ける性質があります。歯が伸びすぎると、餌が食べられなくなって死んでしまうのです。そのため、いつも何かをかじることによって歯を削り、正常な歯の長さを保っています。その標的となるのが、電気系統の配線・ガス管・給排水管・LANケーブルです。

ネズミが電気系統の配線をかじったことが原因で、漏電事故や停電、さらには漏電による火災発生にまで至ることもあります。実際に、漏電箇所で感電死したネズミがしばしば発見されています。

しかも、火災の原因がネズミによるものであれば、火災保険は適用されません。そのため、甚大なる経済的損失を被ることになるのです。また、給排水管をかじって水漏れや、ガス管をかじってガス漏れを引き起こしたりすることが、実際に起きています。

ネズミがかじるのは、配線類だけではありません。建物内の断熱材をもかじり、ボロボロにしてしまいます。断熱材は寒さに弱いネズミにとって、巣作りの格好の材料となるのです。断熱材以外にも、壁や柱などの建材もかじられれば、建物の価値が損なわれてしまうでしょう。

たかがネズミですが、そのネズミが原因で引き起こされる経済的損失は、桁違いなものになることを知っておかねばなりません。

ネズミが引き起こす健康被害

ネズミの体には、たくさんの菌がまとわりついています。というのも、ネズミは警戒心がとにかく強いことから、人目につきにくい下水溝や厨房の隅・床下などを動き回り、生息しているのが特徴です。こうした場所は、決して衛生的なものではありません。その結果、ネズミは体の表面や体内にたくさんの菌を持ちながら、建物内を動き回り、菌がまき散らされることになります。

ネズミが保有する菌を軽んじてはいけません。人体に影響を与え、深刻な健康被害を引き起こす原因となるからです。ネズミによる健康被害の中で代表的なものが、サルモネラ菌による食中毒でしょう。ネズミの体や糞が食品に触れ、その食品の中でさらに増えた菌が食中毒を引き起こすのです。腹痛や嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。

ネズミが保有する菌は、このサルモネラ菌だけではありません。サルモネラ菌以外にもハンタウイルスやレプトスピラ菌がネズミに寄生している菌として知られています。 ハンタウイルスを保有したネズミの糞や唾液によってほこりが汚染されることもあり、その汚染されたほこりを人が吸い込むことでハンタウイルスに感染することがあるのです。ハンタウイルスに感染すると、ハンタウイルス肺症候群または腎症候性出血熱と呼ばれる疾患を引き起こします。

ハンタウイルス肺症候群は、風邪に似た症状です。急な高熱を引き起こすなど危険な病気で、実はまだ効果的な治療法が見つかっていません。腎症候性出血熱は、頭痛・発熱・さらには腎不全を引き起こし、人工透析が必要になる可能性もあるのです。ハンタウイルス肺症候群と腎症候性出血熱、この2つをまとめてハンタウイルス感染症といいます。

レプトスピラ菌は、保菌しているネズミの尿によって汚染された土や水との接触により皮膚から感染します。マンションやビルのベランダには、汚染された雨水が溜まっているかもしれないので、注意しなければいけません。主な症状は高熱・黄疸・筋肉痛であり、重症化すると全身から出血する症状も見られます。

やっかいなのは、ネズミの血液を餌とするダニがいることで、イエダニもその一種です。寄生していたネズミが死んでしまうと、新たな寄生先を求めて人に寄りつき吸血します。イエダニに刺されると、腫れや痛みからくる皮膚炎を発症し、人によってはアレルギー症状が出ます。

直接ネズミに噛まれることがあっては大変です。ネズミの持つ菌が噛まれた傷口から侵入することによって、発熱や関節炎を引き起こします。重症化すると、肺炎などと合併する場合もあるのです。これを鼠咬症といいます。

このように、ネズミによって引き起こされる健康被害は、決して見過ごせるものではありません。建物内にネズミが存在している場合、建物のオーナーとしては、1日でも早く駆除、予防対策をとることが望ましいでしょう。

ネズミを駆除するための方法とは?

では、ネズミを駆除するためにはどうすればよいでしょうか。ネズミ駆除剤や粘着ねずみ取りシートなど多くのネズミ駆除製品が売られているので、手軽に対策がとれるでしょう。建物内では蓋付きのゴミ箱を使うなど、衛生的な環境を保つこともネズミ対策としては有効です。

しかし、確実にネズミを駆除したいならば、ネズミ駆除専門業者に頼むことをおすすめします。ネズミがいる場所は糞尿などが残っており、衛生的には非常に危険な状態です。そんな場所に素人がうかつに近寄るのは、危険以外の何物でもありません。

また、もし仮にネズミを捕獲したとしても、そのネズミをどう処理したらよいでしょうか。ましてや、相手は警戒心が強く、頭の賢いといわれるクマネズミです。専門家でない方が太刀打ちできる相手ではありません。

ネズミ駆除専門業者は、ネズミの習性や生態に関する豊富な知識と経験に裏打ちされたプロ集団です。ネズミの侵入経路にある足跡や黒く汚れた跡として残されたラットサインを手掛かりにして、最適な場所に罠をしかけ、効果的に駆除してくれます。しかも、ネズミが残した糞尿や寄生虫まで清掃・消毒までしてくれる駆除業者もあるのです。

さらには、再びネズミが入ってこないように、再発防止まで手がけます。ケーブルや配管導入口、換気扇や亀裂の劣化部分など、建物にネズミが侵入する経路は無数にあるのです。その中から、ネズミ駆除専門業者はラットサインなどを手掛かりにネズミの侵入経路を突き止め、金網や金属板などを用いて対策を施します。いわゆる、防鼠工事といわれる施工サービスです。

さて、そうなると、ネズミ駆除専門業者選びがまた悩みの1つになるのではないでしょうか。最後に、業者選びのポイントをご紹介します。

見積もりが一部駆除なのか、再発防止対策も含まれた完全駆除なのかを理解することです。複数社へ相見積もりをとった際に1番安い業者に頼んだところ、一部駆除しかしてくれないケースはよくあります。その場合、ネズミが発生するたびに頼まなければいけなくなり、かえって費用が高くなってしまうでしょう。

まとめ

ビルやマンションの高層階にネズミが出ることは、決して珍しいことではありません。ネズミが出ているのに放置していると、経済的にも健康的にも甚大な影響を及ぼしかねないことがわかりました。

建物オーナーとしては、所有する建物がネズミによって価値が下がることは避けたいものです。そうしたときは、ネズミ駆除専門業者に依頼して、完全駆除するのがなによりの得策といえるでしょう。しかし、そもそも建物自体を清潔で綺麗にしたいと思うならば、マンションリフォームを検討することも1つの手です。

「株式会社NumberSecond」では、マンションやビルのリノベーション&リフォーム工事を手がけています。東京都心部や神奈川エリアでマンションなどのリフォーム業者をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。