2023年02月26日

ビル・マンション共用部分における保険選びの手順・ポイントを徹底解説!

ビル・マンション共用部分における保険選びの手順・ポイントを徹底解説!

ビルやマンションには、さまざまな損害リスクがあります。たとえば、地震による火災だけではなく、事故による火災や水害など、被害が大きくなればなるほど損害金額が増額されるリスクもあるのです。とくに、都心部ではビルやマンションが年々増え、万一の際に必要な共用部分の保険補償に頭を悩ませるオーナー様も多くいらっしゃるでしょう。

そこで、ビル・マンションのオーナー様向けに、共用部分の保険選びの問題点・手順やポイントなどをご紹介します。

ビル・マンションの共用部分の保険とは?

ビル・マンションの共用保険は、「共用部分」「専有部分」の2つです。共用部分は、マンション管理組合で管理をし、専有部分は個人が管理して加入します。まず、専有部分と共用部分がそれぞれどのような場所なのか、また共用部分の保険対象場所について解説しますので、参考にしてみてください。

専有部分

専有部分とは、個人が区分所有する部分のことを指し、簡単に言うと戸室部分です。厳密に言えば、マンションの管理規約で定められていますので、マンションによって多少違いがあります。

一般的には、部屋の天井や壁、床に囲まれている空間全般です。メーターから内側の水道管やガス管・電気の配線、共有管との接続部分までの下水管も、専有部分に該当します。また、玄関扉の鍵や内側の塗装部分も専有部分です。

専有部分は不具合が生じた場合、所有者に修繕する責任があります。そのため、個人で保険に加入する必要があるのです。逆に、リフォームやリノベーションなど、ある程度自由にできるというメリットもあります。

共用部分

共用部分とは、戸室以外のほとんどの場所を指します。ビル・マンションの所有者がみんなで使用する部分です。たとえば、エントランスや階段・エレベーター・駐車場などが該当します。また、多くの人が誤った認識をもっていますが、戸室のバルコニーや窓ガラス、サッシなども共用部分です。

基本的に共用部分に不具合があった場合は、管理組合が修繕します。しかし、窓ガラスやサッシなどが割れてしまった場合は、区分所有者が修繕負担をしなければならないマンションが多数ですので、注意が必要です。

保険上の建物の定義

マンション保険は共用部分だけではなく、建物に直接付随しない施設や付属建物も補償対象です。つまり、建物に固定されているものは建物の一部となります。

たとえば、エントランスに設置されているエアコンや照明、階段の手すりなどです。ビル・マンションの建設時にはなかった防犯カメラも、後付けで設置した場合は補償対象になります。

建物と離れた場所にある共用部

共用部分とみなされる範囲は、実はとても幅広くあります。マンションから離れた場所にある、管理しているトイレや物置なども共用部分です。

また、最近多くの新築マンションでは、シェアラウンジやカフェ・ジムなどが併設されています。その室内にあるテーブルやソファ、キッチンなども共用部です。ビル・マンション保険は、共用部分にかける保険であるため、補償対象は広範囲となるでしょう。

マンション保険を選ぶ手順は?

マンション共用部の保険選びをするとき、どのように選べば良いのか手順がわからない人も多くいらっしゃいます。そこで、保険を選ぶ手順について解説します。

保険金額の基準を決める

一般的に、ビル・マンションなどの建物の場合、評価額と再調達額のどちらかの方法で保険金額を決定します。評価額は、延床・専有面積をもとに算出する1平方メートルあたりの単価額です。築年数に応じた額を反映させて算出する方法が多く使われます。また、再調達額とは、保険対象と同等のものを購入するために必要な資金のことです。このどちらかを選び、算出した金額をもとに保険金額を決定します。

リスク調査

ビル・マンションのある場所のハザードマップを参考にし、自然災害のリスクがどれだけあるのかを調査します。東日本大震災のときは、震源地から離れた場所でも埋め立て地の場所では液状化、川沿いでは床上浸水などの被害もありました。

川沿いなのか、山沿いで土砂崩れなどのリスクがあるのかなど、建物の置かれている場所のリスクを調査することは保険選びで必要不可欠です。

ビル・マンションの財政・修繕計画の把握

ビル・マンション管理をするうえで、管理組合の財政状況や修繕計画を把握することは大切です。保険期間や支払い方法、また掛け捨てなのか積み立てにするのかなどを検討します。

たとえば、財政状況が悪いのに借入をしてまで補償を充実させるのか、逆に補償額を減らして保険料の支払いを減額するのか、財政状況や修繕計画など長期的にみて判断することが重要です。

保険期間は長期間で設定する

ビル・マンションに限らず、火災保険は長期になればなるほど、1年ごとの保険料の負担が軽減されるのです。たとえば、保険を1年ごとに更新する場合と10年契約した場合の保険料を比較すると、10年契約の方の保険料が1/5も安くなります。

建物の竣工時に加入している保険は、1年契約の場合が多いでしょう。1年契約の場合は、途中からでも契約年数を変更できますので、長期間で設定することをおすすめします。

ビル・マンション共用部分保険の問題点やポイント

共用部分の保険加入は、基本的にビル・マンション竣工時に加入し、保険選びや補償内容は管理会社や売主が決めます。

共用部分の保険は、ビル・マンションの住民や利用者が管理費として支払います。年々増額することで、トラブルになるケースもあるでしょう。ビル・マンション保険の問題点を把握しておくことも大切ですので、保険選びのポイントとあわせて詳しく解説します。

高経年ビル・マンションの増加

築20年以上を超えるビル・マンションが増えてきており、損害率の悪化や配管の劣化による漏水、また大型台風や自然災害による事故の増加が問題となっています。

ビル・マンション設備の中でも、給排水管は築15~20年で更新工事や更生工事をする必要があるでしょう。工事費が高額になってきているため、修繕積立金が不足し、施工されていない場合も多くあります。そのため、老朽化により漏水事故が多発しているのです。

保険料の適正

保険料は、基本料のほかにオプションもあります。加入時に不要なオプションに入ってしまっていることで、保険料が高額になっているケースもあるのです。また、築年数が上がるにつれて、保険料は増額されるでしょう。保険会社によっては見直しをせず、加入した当時のプランで10年以上経過してしまうこともありますので、毎年必要な補償が入っているのか、不要なオプションがないかどうか確認することをおすすめします。

積立型保険と掛捨型保険のどちらが有利?

保険は「積立型」と「掛捨型」の2種類があります。この2つは、どちらがお得なのでしょうか。確認するべき点としては、運用実績が良いか・掛捨保険料はお得かの2点を確認することです。簡単に確認できる方法としては、総支払保険料-満期金=実際の掛捨になる保険料を計算します。

積立型保険の場合、実質的な掛捨保険料がどのくらいになるのかを調べたうえで、比較する必要があります。

積立型は、積立部分の運用実績(契約時に確定)+掛捨保険料=積立部分の保険料という仕組みです。また、満期時にお金が返金されるので、掛捨型と比べると保険料が高くなります。運用実績によってお得になる保険ですので、掛捨型よりもおすすめです。

保険会社を変更する

現状加入している保険会社を変更できるのか、ご存じない方も多いでしょう。基本的に、変更は可能です。途中で解約すると、残りの保険料が返金されないと思っている人もいらっしゃいますが、きちんと保険料は戻ってきます。

万が一、条件の悪い保険に加入している場合は、途中解約して他の保険に切り替えるのも1つの方法です。

まとめ

「ビル・マンションの共用部分における保険選びの手順・問題点やポイント」について、ご紹介しました。共用部分は建物から離れているトイレやシェアラウンジの備品など、幅広い範囲が共用保険で補償されます。

また、保険選びのポイントとしては、建物の立地や災害リスクを把握することが大切です。必要な分だけ加入することで、保険料のコスト削減にもなり、管理費をリフォームに回せます。

「株式会社NumberSecond」は、リフォーム事業を行っている会社です。再建築不可の建築物リフォームやリノベーション・水回り交換・バリアフリー工事などのほか、マンション保険の基本補償内容に入っている雨漏れや漏水調査も実施しています。

東京・神奈川エリアを中心に、お客様の想いをカタチにする「提案力」で多くのお客様にご支持いただいておりますので、ビル・マンション保険の加入や見直し、また修繕を検討しているオーナー様はぜひ一度ご相談ください。