2023年02月26日

ビルやマンションの共用部分の分類・リフォーム・注意点をご紹介!

ビルやマンションの共用部分の分類・リフォーム・注意点をご紹介!

ビルやマンションの階段、エレベーターなどに傷みが出たとき、どのように補修を行えばいいのでしょうか?居住スペースの中の壁や床などの傷みであれば、対応はしやすいでしょう。ここで、ビルやマンションの「共用部分」と「専有部分」の区別という考え方が必要となってきます。

今回は共用部分の考え方について、また共用部分にまつわるさまざまなケースについてご紹介しますので、参考にしてみてください。

ビルやマンションの共用部分とは?

ビルやマンションは、多くの人が利用する場所です。ごく限られた人だけが使用する場所もありますが、すべての利用者が使う設備なども存在します。利用する人の範囲によって、ビルやマンションはそれぞれの区域に分けられており、その管轄が異なっているのです。まず、ビルやマンションの共用部分についてご説明します。

専有部分

ビルやマンションの中には、特定の人たちのみが使用する場所があり、これを「専有部分」といいます。たとえば、マンションのそれぞれの居住スペース(壁・床・天井・建具など)や、ビル内の店舗や事務所などが専有部分です。

共用部分

これに対して、ビルやマンションを利用する人が共同で使用する場所が「共用部分」です。この共用部分は、さらに「法定共用部分」と「規約共用部分」の2つに分けられます。

法定共用部分は、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」によって定められた建築設備です。たとえば、階段・エレベーター・廊下・配管・配線などがこれに該当します。これらは、ビルやマンションとして体をなすために、必ず設置しなければ成り立たないものばかりです。

一方、法律では定められてはいないものの、管理組合で決められた「管理規約」で、共用部分として定めたところが規約共用部分です。たとえば、集会室(集会所)・機械室・倉庫・車庫などがこれに該当します。

このように、ビルやマンションの各設備は、その使用目的や法的な取り扱いにより、それぞれの設備の管理元が細かく決められているのです。

共用部分のリフォーム

ビルやマンションの各設備も、誰が使うかに関係なく、時間の経過とともに劣化したり傷んだりします。そのため、共用部分の設備におけるリフォームや補修の必要が出てくることもあるでしょう。その際には、どのような対応をすればよいのでしょうか?次に、共用部分のリフォームについてご紹介します。

専有部分はリフォーム可能

まずは専有部分についてですが、ここについてはリフォームが可能です。たとえば、天井・壁紙・室内のドア・浴室・トイレ・キッチンなどのリフォームが該当します。

一方で、共用部分はリフォームができません。共用部分は利用者全員の共有財産であって、一個人が勝手に判断をして、手を付けることは不可能だからです。

たとえば、マンションのドア前の通路やバルコニーは共用部分とされるので、通路に面したドアの内側は専有部分でリフォーム可能です。(ただし、塗り替えやシート張り程度のみ)それに対して、ドアの外側は共用部分となるため、リフォームできません。

また、バルコニーに面したサッシも共用部分扱いになり、交換などの作業ができません。このドアやサッシは、マンションの管理規約でどのように扱われ、リフォームがどこまで許されているかを確認してみてください。

共用部分の補修

もし共用部分が傷み、補修の必要が出てきた場合、どのような手順を踏めばよいのでしょうか?マンションの場合、専有部分は所有者である住人が補修を行わなければなりません。それに対して、共用部分の管理は、マンションの管理組合が行うのです。

ただし、たとえ専有部分であっても、管理組合によって補修工事を行う補修もあります。たとえば、経年劣化による老朽化・犯罪行為による住宅設備の破損、またそれらを防ぐための工事などです。

共用部分で注意すべきこと

マンションやビルの一部の所有権を持つ人は、自分の専有部分以外にも、その建物を利用するすべての人が共有をする共用部分について、保全や管理・美化などに努める義務があります。それは、共用部分についてのルールやモラルを守れなければ、即トラブルになってしまうからです。次に、共用部分に関しての注意点をご紹介します。

共用部分での私物の放置

共用部分はすべての利用者が使う場所であるため、整然としていることが求められます。そのような場所に誰かが私物を放置した場合、他の人からすればとても迷惑でしょう。そもそも私物の放置は、管理規則違反にあたります。事実、通行の邪魔になったり、景観を損ねたり、非常時の避難の妨げになりかねません。

またオーナーとしては、共用部分の管理を行うにあたり、共用部分の使用を安易に認めないようにしましょう。たとえば、ビルのある店舗の備品を「ちょっとだけ置かせておいてほしい」などの要望があるケースも考えられます。しかしそれを認めれば、他のところもそれに追随して、別のところも許可しなければならなくなるでしょう。

もし私物が放置されていた場合、オーナーはどうすればよいでしょうか。まず第1段階として、張り紙によって放置した人に警告します。普通の人ならそれで撤去するはずですが、それでも放置されたままであれば、第2段階に移りましょう。

次に、私物を引き取り、共用部分でない場所に保管をし、放置したものを当事者に取りに来るようアナウンスします。これも、普通なら放置した人はマズいと思ってすぐに反応するはずです。

それでも放置が続けば、強制措置をとることになるでしょう。放置されたものを処分し、その費用を当事者に請求するという方法です。ただ、これに関しては、たとえ共用部分に置かれたものであっても所有権がまだ持ち主のままなので、所有権が切れたと同時に対応することになるでしょう。

ゴミ置き場についてのモラル

マンションのゴミ置き場は、マンションの住人が一斉に利用する場所です。それだけに、利用者が不快に感じることがないような利用の仕方を、一人ひとりが守らなければなりません。

住人の中には、捨ててしまえばそこがどうなろうと意に介さないという人も残念ながらいます。ゴミを捨てる日や時間帯外に捨てる人・分別をいい加減にする人・既定の袋を利用していない人や中身が飛び出してしまって汚いのを知りながら黙って捨てる人など、挙げればきりがありません。モラルの問題でもあるので、これは守ってほしい問題です。

駐輪場を正しく利用する

繁華街の近くであれば、ビルやマンションの利用者でなくとも、自転車を止めることがあるかもしれません。また場所に限らず、自転車をきちんとした場所や方法で止めていないというケースもあります。オーナーは、その管理体制をしっかりとるべきです。もし、正規でない自転車の撤去をすることになれば、その費用は管理組合にしわ寄せが来ます。正規の利用者にだけステッカーを貼るなどして、管理しやすくしましょう。

ベランダの使い方はクレームが起きやすい

ベランダも共用部分とされており、本来ならば私物を置くことは禁止されています。しかし、同時に半分は専有部分的な性質がありますので、使い方は考えながら利用をするのがおすすめです。

たとえば、ガーデニングをやりたいからといって、鉢植えやプランターを並べたり、洗濯物を干したりするのは控えなければなりません。また、ベランダから臭いや煙などを発するものや、ベランダに飛びやすいものを置いたりしないようにしましょう。

このように意識する、しないに関わらず、周囲のクレームの元となりかねないことがいくつも存在しますので、注意が必要です。

違法駐車に注意

マンションやビルに駐車場が備えられており、そのスペースに割り当てられているところがあります。しかし、その割り当てられた場所に、自分の代わりに第三者の車を止めることについて許す利用者もいるのです。駐車を許されているのは利用者(あるいはその家族)に限るはずですので、これは契約違反な場合がほとんどでしょう。それがわかれば大きなトラブルになりますので、注意が必要です。

まとめ

ビルやマンションには、共用部分という場所が存在します。そこは、すべての利用者が快適に利用をする場所です。それだけに、一人ひとりの良識やモラルが問われることに気を付けなければなりません。

オーナーにとっては、その管理や周知の徹底が求められます。その成果により、ビルやマンションを利用する人の人間的な部分が判断されるわけです。

「株式会社NumberSecond」では、ビルやマンションを快適に利用できる建物づくりのサポートをいたします。ビルやマンションの管理、修理でお悩み、ご検討の方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。誠意を持ってお応えいたします。