ビルやマンションの設備が故障した…修理する際の注意点について解説
ビルやマンションのオーナーは、設備管理も重要な仕事です。入居率を高めるためにも、設備の点検を定期的に実施して、必要に応じて修理や交換をする必要があります。
そこで、ここでは設備の修理をするタイミングや、どのようなことに注意すべきかについてまとめました。設備管理も自分で行おうと思っているオーナーの方は、ぜひとも参考にしてみてください。
主要設備の交換・修理のタイミング
ここでは、多くのビルやマンションに取り付けられている、主要設備の修理や交換のタイミングについて紹介します。使用している環境や使い方によって、多少前後することはあるかもしれませんが、おおよその修理のタイミングを見極めるための参考情報として覚えておくといいでしょう。交換のタイミングから逆算して、修理費用などをマネジメントすると、費用の捻出に困ることもなくなります。
エアコンの寿命
現在のビルやマンションの設備として、エアコンは必須になりつつあります。近年の日本では、夏場は猛暑で、冬場は厳しい寒さになることもしばしばです。一昔前までは、入居者のほうで自らエアコンを取り付けることが多かったのですが、今では設備としてすでに取り付けられている物件が主流になりつつあります。
税務上の減価償却では、エアコンの法定耐用年数は6年です。しかしこれは帳簿上の問題で、実際の耐用年数とは若干異なります。目安としては、10年で修理を検討すると良いでしょう。もちろん、これ以上長期間使用し続けられるエアコンもたくさんあります。
なぜ10年なのかというと、それは修理部品の影響です。一般的にメーカーは、部品の生産期限を10年としているケースが多くなっています。つまり、10年経過すると、修理したくても変えの部品がなくてできないパターンも十分考えられるのです。ですから、取り付けから10年経過したエアコンがあれば、修理や交換などをすることが適切だといえます。
給湯器の寿命
給湯器も今では、ビルやマンションにすでに取り付けられていて当たり前の設備になりつつあります。シャワーなどの使用頻度も高まってきているのです。
給湯器もエアコン同様、10年を目安に修理を検討したほうがいいでしょう。理由もエアコンと同じで、10年を超えると部品の生産が終わっていて交換できなくなる恐れがあるからです。給湯器の寿命は10~15年が一般的といわれているので、10年を一つの区切りにしてみるといいでしょう。
給湯器を設置するときは、サイズに注意が必要です。給湯器は、号数でサイズがいくつかに分類されています。号数によって、使用人数がある程度設定されるのです。
使用人数に対して号数の小さな給湯器を設置すると、より早く寿命が来て頻繁に修理や交換をしなければならないかもしれません。小さい給湯器を大人数で使用した場合、その分稼働時間がどうしても長くなります。長く働き続ければ、その分消耗も激しくなるため、平均寿命よりも早く故障する可能性があるのです。
号数の少ない給湯器のほうが、価格は安くなっています。しかし、設備投資を節約した結果、頻繁にトラブルが起きて結果的に修理費がかさむこともあり得るでしょう。部屋のサイズにマッチした給湯器を導入したほうが、結局コストパフォーマンスが最もいいわけです。
トイレの寿命
トイレの場合、本体は半永久的に使用できるはずです。陶器で作られているので、割れるようなトラブルが起きない限り、ずっと使い続けられます。では、トイレの修理や交換をする必要がないかというと、そうではありません。
まず、トイレの表面はコーキング処理されています。しかし、使用し続けることにより徐々に落ちてしまうのです。コーキングが落ちてしまうと、汚れが目立ちやすくなります。また、タンク内の部品や配管も長年使い続けていると劣化が進むため、タンク内は10年、配管も20年経過したら修理や交換などを進めたほうがいいでしょう。
定期的に交換すると、コスト面でもお得です。トイレの性能は進化し続けており、近年は節水トイレといって、流すときに水の量を調整するような機種もあります。
機種によって多少違いはありますが、1回当たり大をしたときに使用する水量は、20年くらい前のものだと13リットル、10年前だと8リットルくらいです。それが節水トイレになると、4~6リットルまで節水できます。10~20年前のトイレと比較すると、30~70%の節水効果が期待できるわけです。
トイレを交換する場合、工事代など含めてだいたい10~15万円が相場といわれています。しかし、年間でいうと、10年前のトイレの場合4,000~7,000円、20年前のものだと10,000~15,000円程度の水道代の節約効果が期待できるのです。10年で元が取れますし、水道代を節約できることは、入居者へのアピール材料の一つになりえるでしょう。
設備の修理をだれが行うか理解しよう
マンションやビルの設備が故障した場合、だれが修理費用を負担するかも一つの問題になります。これは基本的に、オーナーが負担するものであると考えましょう。
自分で設置したものであればオーナーが負担する
もしビルにあらかじめ設置されていたものであれば、オーナー自身が修理や交換費用を捻出しなければなりません。
しかしここで問題になるのが、残置物だった場合です。前の借主が設備を設置しましたが、持っていくのは面倒であることから、建物のオーナーと相談してそのまま置いていく場合があります。エアコンなどは、残置物扱いになるケースも少なくありません。そのほかにも、照明器具を前の入居者がそのままにする場合も多く見られます。
この場合、オーナーが設置したものではないので、修理の義務は発生しません。残置物扱いのうえで契約する際には、まだそれが使えるのであれば入居者は引き続き利用しても問題ありません。
しかし、のちに故障や不具合を起こして交換や修理が必要になった場合には、入居者が負担することになるでしょう。のちにトラブルにならないためにも、「残置物が故障し修理や交換が必要になった場合、貸主側は責任を持たない」という1文を盛り込んでおいたほうが安心です。
入居者負担になる場合も
建物に設置されている設備が故障した場合、基本はオーナーが修理費用を負担しなければなりません。しかし一部例外もあり、以下で紹介するようなケースは入居者が修理費用を負担するのが一般的です。
まずは、自分で勝手に修理してしまった場合です。入居者は、まず設備が故障したことをオーナーや管理会社に伝えないといけません。もしかすると、オーナーのほうで設備が故障した場合に、依頼する修理業者を決めている可能性があるからです。入居者からの相談なしで修理された場合、入居者から代金を請求されても断って構いません。
また、設備の故障を入居者が報告せずに、さらに悪化させてしまった場合も、入居者が費用を負担する必要があります。
たとえば、給湯器が故障してお湯が出なくなった際に、夏場であれば水でも大丈夫と考えてそのまま放置したと仮定しましょう。するとガス管が腐食して、修理範囲が広がってしまいます。最悪ガス管に穴が開いて、そこからガスが漏れだし、一酸化中毒を引き起こすこともあり得るのです。こうなると、全額費用負担を入居者に求められます。何か設備に故障があった場合は速やかに連絡するように、入居者に周知徹底することが重要です。
入居者の過失によって設備が故障した場合も、修理費用は入居者が支払うことになります。たとえば、事例として挙げられるのは、エアコン故障が借主負担になったケースです。エアコンの故障の原因を見てみると、フィルターの掃除を怠ったことが原因でした。
そのほかにも、北国で時折見られるトラブルなのですが、出張などで長期間家を空けるときに水道の元栓を閉めなかったことが原因で、水道管が凍結してしまうケースです。ひどくなると、水道管が破裂してしまうこともあります。入居をする際に設備に関する注意点は、しっかり入居者に伝えることが大事です。
まとめ
入居者が快適に生活できるように、設備のメンテナンスや修理を定期的に行うことは重要です。入居者の過失や故意によるものを除き、建物に装備されている設備の修理はオーナーが負担することになります。また、設備を定期的に交換することで、新しく進化したものを導入することが可能です。これも、入居者へのアピールになります。
オーナー自身ですべての設備の点検や修理をするのは、負担が大きいでしょう。「株式会社NumberSecond」では、漏水の調査や修理を行っています。とくに配管で漏水が起きると、速やかに復旧工事をする必要があります。「株式会社NumberSecond」ではスピーディに緊急時でも対応しておりますので、水漏れなどお急ぎのご依頼についてもぜひお問い合わせくださいませ。