マンションの水回りのリフォームにおいて配管の交換を検討する際のポイントを紹介
マンションに長期間住んでいると、水回りや配管が劣化します。場合によってはサビが発生したり、漏水が起こったりするでしょう。大きなトラブルを避けるためにも、定期的なチェックや早めの交換が大切です。
そこでこの記事では、マンションの水回りのリフォームにおける配管について解説します。配管の種類や材質、適切な交換のタイミングなどを解説しますので、配管の修理やリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
マンションの水回りのリフォームで押さえておきたい配管の種類
水回りのリフォームで配管を交換する際には、はじめに種類を確かめておきましょう。ここでは、5つの配管の特徴についてご紹介します。
給水管
給水管とは、飲料水を供給する管のことです。一般的には、排水管の分岐箇所から家庭に送られます。一般的なマンションや戸建の場合、引き込み部分の口径は25mm~50mmで、ポリエチレン製の配管が使われているのが特徴です。
漏水などのトラブルが発生した場合、箇所によって修繕方法が異なるでしょう。分岐箇所から水道メーターまでは、水道局が修繕します。ただし、市町村によって異なる場合があるので、事前の確認が必要です。
給湯管
給湯管とは、給水管から送られてきた水を給湯器で沸かすための管のことです。給湯管は、洗面所、浴室、キッチンなどのお湯を使用する部屋やスペースに送られます。
ガスの給湯器は、点火によって金属の管が加熱されることで、水が温められる仕組みです。ガスの量によって、お湯の温度を調節できます。
追い焚き用ペアチューブ
追い焚き用ペアチューブとは、お風呂を沸かしたお湯が冷めたときに使用する管のことです。冷めた水を吸い込んでから温め直します。浴槽と風呂釜の間で循環しながら、水を温めるのです。給湯器から浴槽に供給する管と浴槽から給湯器へ送る管があるため、ペアチューブと呼ばれています。
排水管
排水管とは、建物から排出される下水を流すための管のことです。また、敷地内の雑排水や雨水を流す際にも、排水管を利用します。食器を洗った後の水、洗濯をした後の水、入浴後の水、トイレで使用した後の水などは、すべて排水管を通して排出されるのです。一般的には、亜鉛メッキ銅管や塩化ビニル管などが使われています。
ガス管
ガス管とは、都市ガスやプロパンガスの輸送のために使用する管のことです。都市ガスの場合はLNGと呼ばれる液化天然ガスが使われており、プロパンガスの場合にはLPGと呼ばれる液化石油ガスが使われています。
マンションの水回りのリフォームで押さえておきたい配管の素材
マンションで使用されている配管には、さまざまな素材が使われています。ここでは、代表的な素材を見ていきましょう。3つの素材の特徴について解説していますので、リフォームの際の参考にしてみてください。
鉄管
1970年代までは、鉄管が使われていました。耐震性が高いという特徴もありますが、サビに弱いという性質を持っています。耐用年数は、15年~20年です。
硬質ポリ塩化ビニル
硬質ポリ塩化ビニルとは、鉄管の代わりとして普及した管のことです。樹脂を使用したコーティングがなされており、サビに強いという特徴があります。
硬質ポリ塩化ビニル管は主に3種類です。耐久性が高いVP管、耐衝撃性に優れているHIVP管、温度変化に強いHTVP管に分けられ、現在ではHIVP管やHTVP管などが使われています。耐用年数は20年~25年です。
ポリエチレン
ポリエチレン管とは、ポリエチレンという素材を使用した管のことです。現在では、給水管や排水管などのさまざまな用途で広く使われています。
ポリエチレン管の特徴は、高い耐震性です。化学物質や熱にも強いため、長期的なメンテナンスコストを抑えられます。
マンションにおける配管の適切なリフォームのタイミングとは?
給水管や配管は経年劣化するため、適切なタイミングで交換を検討するとよいでしょう。ここでは、配管のリフォームのタイミングについて3つご紹介します。
水の変化
1つ目のポイントは、水の変化です。蛇口から赤茶色の水が出ているときは、腐食によってサビが発生していることのサインといえます。放っておくと配管の内側がボロボロになり、穴が開く恐れもあるでしょう。気付いたときには、早めの交換をおすすめします。
他にも、水の味が変化している、臭いがある、洗面器や便器などに水の跡が残るときには注意が必要です。
樹脂製の配管はサビのリスクが低いですが、破損や破裂などの危険性もあります。水に変化が生じたときには、問題が起きている恐れがあるのです。
水量の減少
2つ目のポイントは、水量の変化です。配管の接続部分などに緩みが生じると、水漏れが起こりやすくなるでしょう。蛇口からの水量が減り、シャワーの水圧が弱くなったり、浴槽の水をためるのに時間がかかったりします。
給水管が劣化している場合、サビなどの不純物によって詰まりが起こる恐れもあるので注意が必要です。水が流れにくいと感じたときには、早めのチェックをおすすめします。
詰まり
3つ目のポイントは、詰まりです。排水管に不純物がたまっていると、詰まりが生じる恐れがあります。高圧洗浄すれば一時的に汚れを除去できますが、すぐに詰まりが生じるときは、詰まりを落とし切れていない可能性が高いです。放っておくと逆流する恐れがあるため、早めに相談しておくのがよいでしょう。
マンションの配管リフォームにおける注意点
マンションの配管リフォームで失敗すると、大きなトラブルに発展する恐れもあります。設備が使えなくなったり腐食したりする可能性もあるでしょう。ここでは、マンションの配管をリフォームする際の注意点を5つご紹介します。
配管の寿命
1つ目の注意点は、配管の寿命が挙げられます。一般的な配管の寿命は、20年~30年です。鉄や塩化ビニルなどの素材が使われていますが、どちらも経年劣化します。配管の寿命が過ぎているときには、交換を検討するとよいでしょう。
とくに、1995年以前の建物については鉄管が使用されており、サビが発生している可能性が高いです。サビは健康にも影響を与える恐れがあるため、早めの交換をおすすめします。
配管工事のスケジュールに合わせる
2つ目の注意点は、配管工事のスケジュールです。多くのマンションでは、定期的な修繕工事が実施されます。マンションの修繕の目安、は12年です。築年数が24年を迎えるときには、大規模修繕を実施する可能性が高いでしょう。
管理組合で共用部分の配管改修工事を実施するときには、同じタイミングで専有部分をリフォームしておくのがおすすめです。大規模修繕工事を終えた後のタイミングで専有部分の配管工事をすると、一部の装置の撤去や交換をしなければならない恐れがあります。手間や費用を抑えたい方は、マンションの修繕スケジュールを確かめておきましょう。
おまけのリフォーム
3つ目の注意点は、おまけのリフォームです。マンションの修繕のついでに、キッチンや浴槽のリフォームを進める業者がいます。管理組合が選定したので安心というイメージを持つ方もいますが、大規模修繕は工程が決まっており、個別のリフォームにまで丁寧に対応する余裕はありません。
思っていたイメージとは異なったというケースもあるでしょう。リフォームを計画する際には、慎重な決定が重要です。
工事内容のチェック
4つ目の注意点は、工事内容です。マンションの大規模修繕を控えている場合には、できるだけすべての配管を取り換えるのがよいでしょう。大規模修繕における共有部分の配管工事を実施することで、すべての配管のトラブルを解消できるからです。
具体的な方法として、給水管は水道メーターの箇所まで取り換えておきましょう。給湯管については、風呂給湯器の箇所まで取り換えておくのがおすすめです。
排水マスのチェック
5つ目のポイントは、排水マスのチェックです。排水マスは、排水管の合流部や湾曲部などに設定されており、詰まりを解消する役割があります。排水マスが詰まりの原因となっている場合もあるため、配管のトラブルが発生したときには、排水マスの状態を確かめておきましょう。
排水マスは、配管と同じように経年劣化します。放置したままにすると劣化や破損が起こる恐れもあるので、早めの交換を検討しましょう。
まとめ
配管にトラブルが発生すると、建物全体にダメージを与える恐れがあります。定期的に状態をチェックし、場合によってはリフォームを検討しておくのがよいでしょう。
「株式会社NumberSecond」では、東京都内や神奈川県の一部でリフォームを実施しています。小規模なリフォームにも対応しており、お客様に寄り添った工事を提供しているのが弊社の強みです。マンションのリフォームをお考えの方は「株式会社NumberSecond」にぜひお問い合わせください。