2023年02月26日

マンションでの漏水に火災保険は下りるのか?補償の可能性を知ろう

マンションでの漏水に火災保険は下りるのか?補償の可能性を知ろう

マンションで懸念されるトラブルに漏水があり、水漏れで部屋が被害を受けるかもしれません。火災保険で備えたいけど、どうすればよいかわからないという方もいるでしょう。漏水被害への火災保険の働き方を知れば、実際に事故が起きたときに冷静な対応ができます。

今回は、マンションでの漏水被害対策をお考えの方のため、火災保険の働き方と加入者の対処法をまとめました。こちらを参考にすれば、漏水被害における保険の活用法を学べるでしょう。

火災保険はマンションの漏水にも対応している

結論からいうと、火災保険は漏水被害でも下りることがあります。漏水は壁や床などの居住空間、家財道具などに致命的なダメージを与えるでしょう。高額な損害額が予想されるため、火災保険の補償範囲になるのです。

火災保険では「水漏れ補償」などとして、プランに組み込まれます。たとえば、上階で漏水が起きた場合です。階下の天井から水が降ってきて、部屋を水浸しにします。下の階に住む人は、クロスやフローリングの交換などを強いられるかもしれません。このときの張り替え費用を火災保険でまかなえます。

また、保険加入時に家財を保険対象としていれば、それらの買い替えやクリーニング費用の補償も可能です。このように、火災保険はプラン次第で、漏水への対策にもなります。

マンションの漏水に対する補償の仕組み

マンションで漏水が起きたときの、火災保険による補償の仕組みを見ていきましょう。漏水の状況によって、補償内容が異なります。また、被害部分が専有か共有かで責任が分かれ、保険の活かし方が違ってくるのです。漏水に対する保険の下り方を見ていきましょう。

自室が漏水に見舞われたとき

自室が漏水を起こしていたときは、被害を受けた居住スペースや家財に対して補償を受けられます。床や壁の張り替え、家財道具の修理などに保険金をまかなえるのです。水浸しになった部屋を直すのは、まとまったコストを要します。一部でも保険でまかなえると、経済的に助かるでしょう。

ただし、キッチンの経年劣化からくる水漏れや、蛇口の締め忘れのような過失などは補償対象外です。漏水に保険が下りるのは、あくまでも突発的で予期不可能だったときになります。漏水が起きれば、常に保険が下りるわけではない点に注意が必要です。

漏水で保険金をもらうときは、事前の契約プランが重要といえます。たとえば家財道具の水濡れに対して補償を受けたいときは、それに対する契約を事前に結んでおきましょう。保険のかけ方によっても、漏水被害への補償度合いが変わります。

以上のように一定の条件はありますが、自分の部屋が漏水被害を受けたときは、火災保険が下りる可能性に注目しましょう。

自室が上階からの漏水などで被害を受けたとき

上階からの水漏れで自室が被害を受けたときも、火災保険金を使った修理が可能です。保険が下りる対象は、予期不可能な原因で被害を受けたときになります。ほかの部屋が水漏れを起こすことは、基本的に予期不可能なので、保険対象です。

また上階からの水漏れ被害では、その部屋の住人に損害賠償を求められます。しかし今後の生活を考えて、住人同士との関係を悪くしたくない方もいるでしょう。そのときに、火災保険でのフォローが選択肢になります。

ほかの部屋の漏水で、自分の部屋にも被害が及ぶかもしれません。こうした事態も、火災保険で備えられます。

専有部分と共用部分で責任が異なる

マンションやアパートでは、漏水が起きた場所によって責任が異なります。専有部分で漏水が起きたら、部屋の所有者の責任です。ほかの部屋に被害を及ぼせば、損害の負担を強いられる可能性もあります。一方で共有部分は、管理組合による管理です。そこで漏水が起きた場合は、管理側の責任になります。

たとえば、給排水設備からの漏水は、住人にとって予期しづらいでしょう。そこからの漏水がわかったときは、管理会社や不動産会社などの管理側に相談してください。共有部分で経年劣化による漏水が起きた場合、修理費用は管理側の負担です。

マンションでの生活時は、共有部分と専有部分も違いを覚えておきましょう。漏水が起きた場所によって、責任や保険のかかり方が変わるからです。

火災保険における水災と漏水の違い

火災保険対象の水の被害には、漏水以外に水災があります。それぞれの違いをつかんでおきましょう。

水災は、自然災害による水の被害です。集中豪雨による床上浸水や、土砂崩れによる家屋の損壊などが該当します。一方で漏水は、特定箇所における水漏れです。天井裏の水道管破裂による自室への漏水や、給水管破裂による部屋の水浸しなどが代表例として挙げられます。

このように、水災と漏水では想定される状況が異なるため、保険加入時はぜひチェックしてください。

漏水被害を受けても補償を受けられないケース

漏水被害を受けても、火災保険が下りないこともあります。漏水の原因としての経年劣化や、予期可能な事態を十分に防がなかった場合などは、保険の対象外になるのです。補償を受けられないケースとして、以下の3つを見ていきましょう。

経年劣化の場合

経年劣化が原因とされる漏水は、保険の対象外です。自室の一部が長年の使用で傷むことがあります。これは人が住む場所なら、どこでもありえることです。突発的かつ予期不可能な事象にはならないので、火災保険が下りません。

たとえば、ドアや窓が経年劣化で傷み、隙間ができたとします。そこから雨が吹き込んで室内にダメージを与えた場合は、保険金で直せません。使い続けるうちに物を扱いにくくなることは、世の中の常識です。それが原因でトラブルが起きても、保険会社は介入しないことがあります。

保険会社が扱うお金も有限なので、経年劣化によるトラブルまでは面倒を見ません。長期的な使用で劣化したアイテムは、自己責任で交換などに努めましょう。こうした取り組みが、適切な漏水対策にもつながります。

修理を要する箇所に十分な対応をしていない場合

修理が必要なのに十分な対応をしていなかった場合は、住人の過失責任として保険の対象外になります。ダメージに対応していれば、漏水が起きなかったと判断されるからです。また、応急処置しかしていない場合でも、十分な対応とみなされず、保険が下りないケースもあります。

たとえば、キッチンの水漏れでは、ゴムパッキンの劣化が原因になりやすいでしょう。シンクや排水トラップ、または排水口と排水管のつなぎ目にあるものです。劣化によってナットがゆるみ、シンク下やキッチンの床が水浸しになることがあります。

ゴムパッキンの交換が必要なのに、ずっとそれをしないで水漏れが起きた場合は、保険対象外です。業者を呼ぶなどの努力義務を怠った住人に、原因があると考えられます。火災保険に入っていても、漏水対策は住人の取り組みも重要です。

予測できたことに対処しなかった場合

予測できたことに対処しなかった場合も、漏水への保険は下りません。事故につながる備品劣化を放置し、実際に被害が及んだ場合は、住人の過失とされるからです。それは突発的でも偶発的でもないため、保険の対象外となります。

たとえば、洗面所の蛇口をさびたまま使ったとしましょう。そこから水漏れが起き、備品に被害を与えた場合は、保険の対象外です。蛇口の交換をしないことが、住人の過失になります。

火災保険に加入していても、住人の過失による漏水は保険対象外です。無駄なコストを背負わないためにも、水回りの備品劣化への対応が重要といえます。

持ち家マンションの所有者は個人賠償責任保険でも備えよう

マンションの1室を持ち家としている場合、まずは管理組合の加入保険を確かめてみてください。個人賠償責任保険がない場合は、住人自らの加入をおすすめします。 個人賠償責任保険とは、日常生活での賠償責任に対する保険金です。誰かにケガをさせたり、店舗の商品をうっかり壊したりした場合、賠償金を求められることがあります。そのようなコストを、保険金でフォローできるのです。自室の水漏れでも、他の部屋への賠償金をフォローする場合に使えます。

マンションの所有者は個人賠償責任保険がないとき、漏水時の対応に困るかもしれません。漏水による他室への損害賠償を、自己負担しなければならない可能性があるからです。

加えて、最近の管理組合は、マンション総合保険から個人賠償責任保険を外すことがあります。その場合は、部屋の所有者が自ら個人賠償責任保険に加入しないと、トラブルで多額を支払うはめになるでしょう。

以上から、マンションの部屋を持ち家としている場合、自室だけでなく他室への損害賠償の対策もしましょう。以上を踏まえて、手厚く保険をかけるのがおすすめです。

まとめ

マンションでの漏水被害対策として、火災保険は重要です。漏水によって被害を受けた壁やフローリング、家財道具に対して、買い替えや交換などの費用を保険でまかなえます。漏水はいつどこで起きるかわからないので、万が一のために保険で備えておきましょう。

「株式会社NumberSecond」は、漏水調査を取扱中です。これに関連して、漏水被害対策のための火災保険申請サポートもお受けします。さらに、事故を防ぐための水回り交換も取扱中です。水回りで気になることがあれば、ぜひご連絡ください。